さて、なんで唐突にサンライズなのか、というハナシだが。

iを急きょ手放した経緯は以前記した。とにかく縁起というか気持ち悪かったので、あまり考えずほぼ即決で売り飛ばした。一応、住まい的にクルマがないと困るが、ミゼット2はおるから。とはいえ、一人乗りはまたいろいろと制約もある。しかしまた、現金預貯金はあまり持ち合わせていない中で、次のクルマどうするかいな、と。動けばいいじゃんって考えもそれなりにだいぶん浸透してきたものの、そんな中でもどこか面白みがあればなおいい。それなりに急いでいる。安く手に入れたい。

で、白羽の矢を立てたのが、神奈川に転がっていたホンダ・Zだったわけ。

ホンダ・Z、1998年の現行規格以降直後デビューの、今でいう軽SUV。
同期には、規格改定に合わせモデルチェンジした(そして19年経った現在も販売中の)スズキ・ジムニー、残念ながら生産は終了したが、やはり2013年まで販売を続けた三菱・パジェロミニ、新規で同じく2013年までのロングセラーとなったダイハツ・テリオスキッドなどがいる。経済状況の悪化でやむなくロングライフとなった面も否定はできぬ(事実パジェミとテリキは後継モデルがない)が、それにしても4年ともたなかったZは、あまりに短命だ。

他3車は、BOFもしくはビルトインフレームと頑強なボディ構造、いずれもエンジン縦置きFRベースで、ジムニーとパジェミは副変速機付きパートタイム、テリキはセンターデフで常時4WDデフロック可と、車格こそ軽ながら中身は結構本格的で贅沢な作りであり、SUVというよりはクロカンってほうがしっくりくる。

一方のZだが、アクティ/ストリートの軽トラ/1BOXから流用パーツがたくさんあるが、実はアクティってトラックのくせに荷台含めモノコックだったりするので、あの恰好ながら完全なモノコック。4WDも、エンジンはミッドシップマウントだが、切り替えはなしで後輪が滑って初めて前輪にも駆動力を伝えるオンデマンド式。んまあ、スペックだけ見たら、今風の乗用車ベースのSUVそのものだぁね。

しかし、タイヤはテリキやパジェミと同じ15インチの大径を履き、最低地上高は200㎜もあるという。一応軽トラからの流用ってこともあるし、下から覗くと乗用車そのままっていうCR-Vやヴェゼルなどほんとに形だけのSUVよりゃよっぽど、ホンダとしていはゆる「四駆」に歩み寄った、ホンダ的には最もオフ寄りな変なクルマだと思うのです。

そこそこレアだが、まだ市場にはたくさん出回っていて、しかしそろそろ球数も減り始めて見つけにくくなるかもしれない。なによりイメージの問題からか、同じような条件でジムニーはもちろんのこと、テリキやパジェミよりも安めの相場設定。それがポーンと神奈川で出てきたんですよね。

ふつう、いくら安くても、神奈川まで取りに行ってどうこう考えたら、手間と、結果的経費とで、中古軽程度の値段じゃ少なくとも安さっていうメリットは消し飛ぶ。
しかしですよ、東京に用事を作ったら、サンライズに乗れるじゃないですか、とね。

小生、旅は好きだが、薄っぺらい観光にはあまり興味がなくて。観光のための移動ではなく、むしろ移動がメインというか。用がなくても、移動を主目的に旅してしまうくらい。サンライズにしたって、いつまでも安泰というわけにもいくまい。サンライズに乗ることを軸にプランを練ってみたりもするくらいなのだが、ほらきた、ここでクルマを買いに行くってなると、用事があってのサンライズじゃないですか、流れが美しい!w

年式の古い中古車を、現物を見ずに決めるのは多少勇気がいるが、とりあえず車検は5月まで残っている。最悪そこまで走ってくれ。

ってことで、買っちゃった、13台目、Z。
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お店の位置的には、サンライズは横浜下車でもよかったんだけど、列車に乗るのも一つの目的である以上、東京まで突っ切って、そこからJR東京上野ラインで横浜まで戻り、相模鉄道乗り換え。
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相鉄は、神奈川で免許更新したことがあるから、乗ったことあるんじゃないかと思うが、記憶にない。ま、なんてこたない通勤電車やね。
海老名で相模線に乗り換えたが、これが電車が来ない。首都圏でも末端はすんごいローカル感。
駅からお店まで行く途中の、味噌の金子でラーメン。
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納車はえらいあっさり。ご対面のZ、うん、まぁ年式のわりにゃきれいじゃない。

R246を目指し、帰路スタート。エンジンはターボ。iも同じく660ccターボだったが、感触としては軽く回る。これすなわち、重い車体を引っ張るにも回さなければならない、ということ。iのほうが、下から上まで踏めばがつんとトルクが出ていた。iはやや軽いし可変バルタイ積んでるのもあるが、あと、ある意味ホンダらしいのかな、とも。
ハンドリングはiほど極端な印象はないが、やはりミッドシップらしく切ったら切った分車体が応答する。パワステが中立付近ですこーし妙なアシストして、これが気持ち悪かった。特に高速道路で追い越し車線を流れに乗るようなときは、高い車高もあって少し怖い。のんびり走ろう。そうそう、重心は高めで、そこの怖さはいかんともしがたいね。実際にはひっくり返ったりはしないんだろうけど。

R246神奈川末端部は市街地国道で流れもよくないが、県境付近峠に入ってからは、心地よくコーナーをとばす。静岡県内のR1バイパスはすべて無料開放され、つなぎ目の一般部で流れが悪くなるものの、静清バイパス西側大渋滞を引き起こしていたトンネル出口信号が解消されるなど、じわじわと整備が進んでいるよう。よく果てしないといわれる静岡県だが、出発してから6hほどで愛知県まで帰ってきた。
静岡愛知県境を走る浜名バイパスはさらに豊橋のR23バイパスにつながり、あと一区間で名古屋市南部までずーっと立体交差完成って感じ。あれは便利になるわ。

名古屋市に入ったところでちょっとバイパスを外れて歌志軒で油そば。
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よくカップ麺は食べるんだけど、お店では初めてかもしれない。
ふたたびバイパスに戻り、一気亀山まで。2200閉店のセルフうどん、甚八さんがギリ間に合ったので、一杯いただく。
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ここの生醤油うどんんがおススメでしてね。お酢をつけてくれるんだけど、この酢醤油ってのがうまいんだわ。また、天ぷらとも相性ばっちしで。ここで知ってから、時々天ぷらを酢醤油で食うようになったくらいに。
気になるのは、最近メニュー表から生醤油うどんってなくなってるんだよね。聞けば出てくるから、裏メニューみたいになってるのかしら。

亀山からは、R1で栗東を目指すことにした。以前は名阪国道をよく使っていたんだが、6/3~阪神高速距離料金制にされて、値上がりなんだな。そう、もう大阪周辺の市街地走行は、堪忍してほしい、高速使ったれってね。鈴鹿峠を越え、甲南で新しく通じたバイパスからそのまま栗東湖南ICより名神へ。京都市内をパスし、京都縦貫の大原野ICで降りて、深夜軽自動車ETC割引で1000円ちょっと。阪神高速使ったら、松原から池田木部で1000円超えるからなぁ。で、亀岡経由でサンライズ乗ってほぼ24時間で帰ってきた。
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最後、ちょろっと林道へ。
そんなハードなこと納車当日しないけど、やっぱオンデマンドってのは、弱そうね。ただ、サスに関しては、テリキよりもしなやかでいい感じ。もっとも、テリキってのはエアロダウン系だったので、どうでしょ。